しあわせ

元バレエ・ダンサーで女優でもあったミリアム。別れた夫との思い出を胸に、息子のセルジュとヴェニスを旅する彼女の前に画家ピエールが現れる。彼の温かい人柄にミリアムは惹かれ、彼もまた彼女を愛し始める。ミリアム親子とピエールはこれ以上ないはどに幸せな毎日を送る。しかしある日、沖釣りに出たピエールとセルジュは高波にのまれてしまう。そしてその一部始終は、幸福な日々を記録するはずだったビデオカメラに収められ、その映像はひとり残されたミリアムのもとに届けられる。二人の死が信じられない彼女は、幸せだった生活の思い出をビデオに撮り続け、心を閉じる。しかしやがて周囲の人々の励ましを得て、自分が自分らしく生きる術はダンスであると自覚するのだった。