みんな誰かの愛しい人

すれ違いに悩むある家族の肖像とその周辺の人々の心模様を描いたヒューマン・ドラマ。

20歳のロリータ(マリルー・ベリ)は、有名大作家の父親エチエンヌ(ジャン=ピエール・バクリ)の影に隠れてパッとしない自分にコンプレックスを持っている。一番の悩みは太めの体型だが、皮肉にも、父が連れてきた新しい母のカリーヌ(ヴァージニー・デサルナ)は、自分と年の変わらぬスレンダーな美女。ロリータは唯一の特技である歌でエチエンヌの気を引こうとするが、自己中心的で傲慢な父には気づいてもらえない。ジャーナリストの卵であるボーイフレンドのセバスチアン(カイン・ボーヒーザ)に対しても、父とのコネが目当てでは……と疑心暗鬼になってしまう。一方、ロリータの歌の教師シルヴィア(アニエス・ジャウイ)は、夫の売れない作家ピエール(ロラン・グレヴィル)のことで手を焼いていた。そんな時、ロリータの父の素性を知り、急に彼女に接近する。エチエンヌはピエールに興味を持っており、大きな書評が出て、ピエールは一躍有名作家になった。大喜びのシルヴィアだったが、しかしやがて彼女は、ロリータの歌の講演会も途中退席してしまったエチエンヌを、人として尊敬できなくなる。そんなエチエンヌは、セバスチアンを怒らせて落ち込むロリータを慰めようとするが、そこでロリータは初めて、セバスチアンの自分への愛に気づく。そして自転車に乗ってセバスチアンを捜し出し、仲直りするのだった。


映画情報

邦題:みんな誰かの愛しい人
原題:Comme une image

監督:アニエス・ジャウィ
出演:マリルウ・ベリ、ジャン=ピエール・バクリアニエス・ジャウィ

2004年/111分/フランス
配給:ギャガ
2004年10月30日公開
フランス映画祭公開タイトル:LOOK AT ME
★57回カンヌ国際映画祭 脚本賞受賞