消えたシモン・ヴェルネール

思春期の孤独と彷徨を清冽に描くハイスクール・ミステリー。
ガス・ヴァン・サントを彷彿とさせるゴベール監督デビュー作。

期待の新鋭映画作家ファブリス・ゴベールの衝撃の監督デビュー作。舞台は1992年、パリ郊外の小さな街。パーティーに集まっていた若者たちが、茂みの中に死体が横たわっているのを発見する。その2週間前、シモン・ヴェルネールという名の高校生が失踪。教室からは血痕が発見され、捜査が開始されるが、それから数日もたたないうちに同じクラスの女生徒レティシアが失踪。シモンとレティシアの間には特別の関係はなく、彼女の両親にも心当たりがない。そしてその翌日、また別の生徒ジャン=バティスト(ラビエ)が消息を絶つ。果たして、事件の真相は……?
カンヌ映画祭「ある視点」部門で上映され、フランス版『エレファント』とも評された作品。ゴベールは、パリ郊外で中学生だった時に同じ学校の生徒が突然失踪するという事件が起こり、その時の経験がこの映画の発想のもとになっていると語っている。名優イポリット・ジラルドの娘、アナ・ジラルドが主演。『ガーゴイル』、『侵入者』など一連のクレール・ドゥニ作品の撮影監督アニエス・ゴダールによる撮影が素晴らしい。ニューヨークのインディーズ・バンド、ソニック・ユースがオリジナル・サウンドトラックを担当したことも話題を呼んだ。


映画情報

邦題:消えたシモン・ヴェルネール
原題:Simon Werner a disparu

監督:ファブリス・ゴベール
出演:ジュール・ペリシエ、アナ・ジラルド、イヴァン・タッサン
2010年/フランス/93分/35mm/カラー/1.85.ドルビーSRD