6階のマリアたち

心を溶かすスペインの甘い誘惑。
パリの高級アパルトマンを舞台にしたエキゾチック・ラブ・コメディ。

『一夜のうちに』、『ナイトシフト』が過去にフランス映画祭で紹介されているコメディ映画の名匠フィリップ・ル・ゲーの最新作。舞台は1960年のパリ。株式ブローカーのジャン=ルイは、妻や子供たちと堅実な、しかし別の見方をすると退屈な日々を送っていた。だが、同じ建物の6階に6人のスペイン人家政婦たちが引っ越してきたことから彼の生活は一変する。ジャン=ルイは開放的な彼女たち、とりわけ若いマリアに魅了される……。 ル・ゲーは子供の頃にスペイン人のメイドと過ごした経験がこの映画のもとになっていると語っているが、その思い出は当時を忠実に再現した美術や衣装によって作り出されたノスタルジックな雰囲気に大いに反映されていると言えるだろう。エリック・ロメール作品の常連で、『しあわせの雨傘』での演技も記憶に新しいファブリス・ルキーニが本領を発揮し、若い女性に翻弄される中年男をコミカルに演じている。ペドロ・アルモドバル作品で知られるスペインの大女優カルメン・マウラがマリアのおばコンセプシオン役で出演。今年2月のベルリン映画祭でプレミア上映された。


映画情報

邦題:6階のマリアたち
原題:Les Femmes du 6e étage

監督:フィリップ・ル・ゲー
出演:ファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・キベルラン、ナタリア・ベルベケ
2010年/フランス/106分/35mm/カラー/ドルビーSRD