家族の気分

仲良し家族が毎週集まる食事会の中で起こった口喧嘩を描いたアイロニカルなコメディ

“フランスのシリコン・ヴァレー”と呼ばれ、コンピュータ工場の中心地になった、ブルターニュ地方のひなびた田舎町のカフェ、“静かなる父”。メナール一家の長男アンリ(ジャン=ピエール・バクリ)が継いで、嫁のアルレットとバーテンダーのドニ(ジャン=ピエール・ダルッサン)で維持している。次男フィリップ(ウラディミール・ヨルダノフ)はコンピュータ会社エクサテック社の重役で、妻ヨヨ(カトリーヌ・フロ)と2人の子どもがいて、妹ベティ(アニエス・ジャウイ)も同じ会社に勤める。母(クレール・モーリエ)を招いて毎週金曜日の夜、家族で食事に出かけるのが習慣。今週の金曜はヨヨの誕生日で、しかもフィリップが夜7時のニュース番組でテレビ出演することに。アンリは時間になってもアルレットが帰ってこないので、心配でたまらない。家族たちが店に到着した頃、アンリにアルレットからの電話がかかってくる。あなたに愛想をつかしたので、家出して1週間ほど考えさせてという。アンリはショックを隠して黙っていようとするが、やがてアルレットの不在の真相がわかり、一家はレストラン行きを取りやめて、ここで誕生日を祝うと決める。最初は穏やかだった家族たちだが、時間が経つにつれて関係がギクシャクし、お互いに罵り合うようになる。子ども時代のトラウマ、日頃の不満など……。家族の間で長く溜まっていた膿が噴き出したのだ。やがては、言い争いに疲れた家族はそれぞれの家に帰っていく。


映画情報

邦題:家族の気分
原題:Un air de famille

監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ジャン=ピエール・バクリ、ジャン=ピエール・ダルッサン、アニエス・ジャウィ、カトリーヌ・フロ、クレール・モーリエ

1996年/111分/フランス
配給:フランス映画社
1997年9月20日公開