ねじれた愛

ほろ苦い笑いとともに、人間の真実を鋭く描き出した作品

ロザリー・ボーマンは、生涯を共にする男性のために純潔を保とうと心に誓っている、今どき珍しい女性。ニューヨークのユダヤ人社会で育った彼女は見事なソプラノでイディッシュ語の歌を歌い、フランス各地の文化センターを巡演している。一方、同じくユダヤ人のシモンは男にしか欲望を感じず、とうの昔に家族に背を向け、ユダヤの伝統とも一切の関わりを絶ってきた.ロザリーはシモンに出会ったとたん、彼のクラリネットに心を奪われる。名手はだしの巧みな演奏ぶりに、これほど深い感動を与える奏者はとても崇高な心の持ち主に違いないと彼女は思いこむ。対照的な二人の問に徐々に芽生えていく深い感情。だが偽善と勘違いの果てには、破局が待ち受けている。それは互いの人間的本質は変わらぬままに、すべてが一変してしまう、奇妙な旅の始まりだった。


映画情報

邦題:ねじれた愛
原題:L'homme est une femme comme les autres

監督:ジャン=ジャック・ジルベルマン
出演:アントワーヌ・ドゥ・コーヌ、エルザ・ジルベルシュタイン、ガド・エレマレ

1998年/100分/フランス