6/26(日) 『消えたシモン・ヴェルネール』ジュール・ペリシエ トークショー
2011. 06. 27 | REPORT


映画祭最終日の6月26日、『消えたシモン・ヴェルネール』の上映後にトークショーが行われた。登場したのは主役の一人を演じたジュール・ペリシエさん。出演の経緯から将来の夢まで、丁寧に語ってくれた。
フランス映画祭でペリシエさんの出演作が上映されるのは実は2度目だ。昨年上映された『バス・パラディウム』が映画デビュー作だったという。もともとミュージシャンだったペリシエさんにとって、『消えたシモン・ヴェルネール』は2作目の出演映画だ。
登壇するやペリシエさんは、「こんにちは。来てくれて、ありがとうございます」と日本語で挨拶。「この映画を紹介することができて非常に嬉しく、誇りに思っています」と喜びを語った。進行を務めた東京フィルメックスの市山尚三プログラム・ディレクターから本作出演の経緯を聞かれ、「『バス・パラディウム』の後、私に素晴らしいエージェントがつき、『消えたシモン・ヴェルネール』を紹介してくれました。役はオーディションで獲得しました」と教えてくれたペリシエさん。4人の人物がそれぞれの視点で一連の出来事を語るという構成の本作だが、最初に脚本を読んだ感想はどうだったのだろうか。「最初はうまく理解できませんでした。映画として出来上がった時に、どんな風になるのか想像が難しかった」という。「役柄やそれぞれの関係を理解するために、かなり脚本を読み込むという準備をしました。出来上がった映画を見たら、脚本とは全く違う広さを持った物語に仕上がっていて、本当に驚きました」と語った。
続いてトークショーは質疑応答へ。本作は、オリジナル・サウンドトラックを米インディーズ・バンドのソニック・ユースが手掛けるなど、音楽にポイントを置いている点を指摘されると、舞台裏を教えてくれた。「ファブリス・ゴベール監督は脚本執筆の段階からソニック・ユースを聴きながら作業しており、最初からぜひ音楽を彼らにと考えていたようです。知り合いでもなんでもないので、難しい依頼だと思いつつも脚本を郵送すると、彼らは承知してくれました。私もとても嬉しかったですね」。
若者の群像劇である本作は、多くのシーンが高校の中で展開する。そこで、登場する高校の様子は、フランスでも標準的な風景なのかという質問があがった。これに対し、ペリシエさんは「郊外にあるたいして美しくもない学校ですが、その中で語り合い、自分自身の生活に想像力をプラスして新しいものを生み出していく若者達を描いている。そういう意味では、フランスの典型的な高校だと思う」と回答。フランスの高校生活を想像する興味深いヒントを与えてくれた。
まだ21歳。これからの活躍が楽しみなペリシエさんだが、将来の夢を聞かれると、「全身全霊で取り組めるような作品に出たいです。音楽についても、映画についても、作品を作るところから参加したい」と熱意たっぷりにコメント。また、「もし日本の映画に出演することができれば、信じられないような夢が実現することになりますね」と語った。
日本について、「想像以上に素晴らしい国」と絶賛してくれたペリシエさん。質問を受けるたびに「アリガトウ」と日本語でお礼を言うなど、観客との交流を楽しんだ様子だった。日本映画に出演するペリシエさんを見る日が1日でも早く来ることを願いたい。
(取材・文:新田理恵、撮影:米村智絵)
    

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