6/25(土) 『匿名レンアイ相談所』ジャン=ピエール・アメリス トークショー
2011. 06. 26 | REPORT


6月25日、有楽町朝日ホールにて『匿名レンアイ相談所』が上映され、ジャン=ピエール・アメリス監督が上映後のQ&Aに登壇した。フランス映画祭の常連であり、過去にも『デルフィーヌの場合』(98)と『ベティの小さな秘密』(06)が紹介されているが、極度のアガリ症の人々を描いた今作は自伝的な内容であると告白。4度目の来日となった監督の姿を一目見ようと会場には多くのファンが駆けつけ、笑いの絶えない和やかなトークショーとなった。
トーク冒頭で、10年ほど前に極度のアガリ症で悩んでいたことを打ち明けた監督。家の外にも出られないような状態であったため、映画の主人公同様、新聞で知った“匿名アガリ症の会”に参加したのだそう。そこで様々な人々と出会い、お互いの失敗談を話しているうちに本作の構想が生まれたと言う。「こういうテーマを扱うためには喜劇でなければならないと思いました。映画は感情を開放してくれるものであるし、アガリ症の人にとっては笑うことが治療になるんです」と、観た人に自信を与えられる作品にしたかったと述べた。
監督は主演二人のキャスティングを想定してシナリオを書いたというが、「イザベル=カレさんも実はアガリ症で、その様子は役にも反映されています。映画祭など人前に出る時は自分を勇気づけるため、『サウンド・オブ・ミュージック』や『キャンディ・キャンディ』の歌を歌ってるんですよ」と暴露し、会場からはどよめきが起こった。主演俳優のブノワ・ポールブールドさんについても「彼はとても有名な喜劇俳優ですが、やはり役柄に共通するところがあったようです」と語る。「映画をみた母親に『本当の息子を見ているよう』と言われた」というポールブールドさんの報告に、とても感動したのだそう。
「チョコレートには何か象徴的な意味があるのか?」という質問には、「現実的な話ではなく、子供が夢見るような世界観にしたかった」とチョコレート職人の話にした理由を述べ、「本作のシンボルであるチョコレートのような甘くてほろ苦い、色んな味が混ざり合った映画にしたかった」と作品に込めた想いを語った。チョコレートの話と聞いた俳優陣はとても喜んでいたが、監督がたくさんのテイクを撮るタイプだったため、楽しいばかりの撮影でもなかったようだ。
最後に続編の有無について訊かれた監督は、「続編は、二人ではなく“家族”で恐怖心を分かち合えるようなものにしたいですね」と、その存在をほのめかすような思わせぶりなコメントで応じ、盛大な拍手のなか笑顔で会場を後にした。
(取材・文:鈴木自子、撮影:米村智絵)
  

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